【ブックディレクション】
山梨県富士吉田市に、ジビエの解体・加工から販売まで行うジビエセンター「DEAR DEER (ディア ディア)」がオープンしました。ORDINARY BOOKSは館内にある本棚のブックディレクションを担当させていただきました。
富士山麓に位置する同市は、豊かな自然と生態系を有する一方で、野生鹿による食害に悩まされています。樹木の皮剥ぎによる天然林の劣化、若木の芽や葉が食べられることによる成長の阻害など、野生鹿による食害は森林荒廃や生態系にも大きな影響を及ぼしているそう。そんな野生鹿をやむなく屠ることで発生する鹿肉を余すことなく活用するのがDEAR DEERです。この施設には「剥皮室」「解体室」など処理加工できる設備だけでなく、「熟成室」や「燻製室」「厨房設備」もあり、解体から食肉製品への最終加工までを一貫して行うことが可能です。
人間は自然からの生命を戴きながら繁栄してきました。そんな普遍を改めて考えることができるDEAR DEERに置くべき本とはなにか? 「いのちへの畏敬をめぐる本棚」というテーマで選書しました。
以下ステートメント。
わたしたちが暮らす日本という島国は、美しい森や木々に抱かれた国です。豊かな森と水にめぐまれたこの地で、日本人は古来より、自然とともに生きてきました。森で採れる食材や湧き出る水によって生かされてきたのです。また、四季によって現れる自然のうつろいを愛でて、独自の美意識を育んできました。
しかし、いつしか人は、自然に対する感謝を忘れてしまったのかもしれません。人間は自然には負けない、そう思い込もうとしてしまいました。結果、自然を利用し、従えようとしてきました。その一方で、近年では、気候変動による環境の変化により、人間の力では太刀打ちできない自然の驚異に直面しています。それは、動物たちが人の住むエリアに侵入してきている一因にもなっています。
この世界にはさまざまな「いのち」があり、自然に抱かれながら生を営んでいます。
植物、動物にもいのちがあり、声を持っているのです。
いまいちど、その声に耳を傾けること、動植物のいのちを戴きながら生きていることを考えてみませんか。
この本棚には、自然の神秘に目をみはることの大切さ、あらゆる生命の尊さを考えるための本を集めました。
わたしたち人間も、自然の一部であることを思い出しながら、頁をめくってみてください。
–施設概要–
富士山ジビエセンター DEAR DEER
所在地:〒403-0006 山梨県富士吉田市新屋725-3
TEL:0555-73-9111
営業時間:金~月曜日 10:00~16:00 ※定休日 火~木曜日
web:https://mtfuji-deardeer.com/
意匠設計監理:O.F.D.A. 坂牛卓+中川宏文
ビジュアル デザイン:株式会社フロウプラトウ(担当:佐藤、小島)
ブックディレクション:株式会社ORDINARY BOOKS(担当:三條)

