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本をもっと”ふつう”にできたらいいのにとよく考えています。

 

”ふつう”とは、「わかりやすく」という意味ではなく、本の世界の裾野を広げたいという意味です。本を手離せない多くの本好きのみならず、普段本を手に取らない人にこそ届けてみたいのです。
 
事実、現代においては人と本の距離がどんどん離れてしまっています。
「本は売れない」「本の時代は終わった」など、出版・書店業界を取り巻く不況の謳い文句は誰しも耳にしたことがあるのではないでしょうか。かつては本や雑誌が流行や情報を得るための最適なツールでしたが、それはSNSやYouTube、サブスクリプションサービスに取って代わられました。情報が知りたければネットニュースを見ればいいし、ビジュアルを探したければSNSを開けばいい。時代の流れとともに本や雑誌との距離が遠くなってしまいました。
 
確かに本が無くたって生きていけますが、こんな不確かな時代に生きる私たちにこそ、本は必要だと考えます。
古来より人は木・石・粘土板や紙に知識を刻み、世界の趨勢を文字で伝えてきました。いつの時代も本は人類の叡智の集積であったし、科学技術が進歩しても紙の本の魅力が消え去ることはありませんでした。

紙の本は一度印刷してしまったら物理的には書き換え不可能で、作り手と書き手は推敲を繰り返し、1つの言葉、1枚の写真に魂を込めて1冊を作り上げます。その印刷物に宿る信頼性は、本だけが持てる強度と言えるでしょう。


人生すら変えてしまう力を持ったこの奇跡的な紙の物質を1冊、1頁、1文だけでいいから届けてみたい。

本を人の心に差し出し、世の中に染み込ませていきたい。
 
それがORDINARY BOOKSの願いです。